聖母ピラールのバシリカ、サラゴサ

スペインの都市の秋冬に最適なプラン

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スペインの秋の始まりは、あらゆる意味で壮観です。この季節ならではの美しい風景と、舞台芸術のシーズン開幕が重なります。各都市を象徴する劇場や音楽ホールの公演スケジュールには、あらゆる好みを満足させるような娯楽の選択肢が豊富にラインナップされており、その多くは冬の間も楽しめます。ただし、この季節の醍醐味はそれだけではありません。創業100年のカフェでゆっくりとくつろいだり、紅葉に彩られた個性的な庭園や公園を訪れたり、この国自慢の驚くべき美食を堪能したりすることも、ぜひとも体験したい多くの選択肢に含まれます。

  • クラシックダンス

    オペラとダンス

    マドリードの王立劇場では、オペラとダンスが主軸の、胸がときめくような公演スケジュールが組まれています。数か月間続く公演が、こうしたジャンルの芸術を幅広い層の観客に届けます。国立舞踊団の最新作品のほか、「椿姫」や「カルメン」が定期的に上演されます。11月には秋のフェスティバルが開催されます。ダンスや演劇、音楽、各種パフォーマンスの公演が、首都マドリードの複数の空間だけでなく、マドリード州内のほかの自治体でも行われます。バルセロナも負けてはいません。リセウ大劇場の卓越した公演スケジュールには、年間を通してダンスやオペラ、バレエの公演が予定されています。これこそ、同大劇場が、ヨーロッパの芸術界における文化的基準としての地位を確立していることの証左です。ここでは「トスカ」や 「蝶々夫人」などのよくある舞台タイトルが目立ちます。バレンシア もオペライベントで有名な都市です。特に、ソフィア王妃芸術劇場の公演スケジュールには、『イル・トロヴァトーレ』や『ラ・ボエーム』といった作品が過去に何度も登場しています。オペラは、ビルバオのアリアガ劇場でも同様に楽しめます。オペラ シーズンABAOビルバオ オペラオペラ シーズンは10月に始まり、あらゆるタイプの観客向けの多彩なプログラムが用意されています。ビルバオでは、ダンスの愛好家にとっても絶対に見逃せないイベントが開催されます。それがビルバオ国際舞踊祭（ダンツァルディア）で、そこでは前衛的な演目が多数披露されます。

  • マドリードのエル・レティーロ公園にあるクリスタル・パレス

    魅力的な公園と庭園

    秋は、スペイン中の公園や庭園が色彩と静寂で満たされるため、アウトドアを楽しむのに適した季節といえます。たとえば、バジャドリのカンポ・グランデ公園はアウトドアにうってつけの場所です。幅の広い小道、池、葉の茂った木立などが夢のような雰囲気を作り出すため、園内をくまなく散策せずにはいられません。セビージャのマリア・ルイサ公園では、プラタナス、噴水、そして黄土色と紫色に染まった異国情緒あふれる庭園が見事なコントラストを描いています。北の サンティアゴ デ コンポステーラ、 アラメダ公園も秋の名所です。園内では、オークの木や栗の木が散歩道を静かな雰囲気で包み込みます。マドリードでは、夏が過ぎて気温が下がってくると、レティーロ公園での散歩が特別なものになります。落ち葉の絨毯が地面全体を覆うためです。その他の公園、たとえばジローナのラ・ダベーザ公園やオビエドのサン・フランシスコ公園も、自然を楽しみたい場合にはとっておきの場所です。しかし、秋だけではありません。白い雪に覆われた公園や庭園を散歩するところを想像してみてください。

  • カフェ・イルーニャ、パンプローナ

    精がつく、歴史あるグルメ

    涼しい日が増えてくると、心地よく過ごせる場所を探すことが何よりも重要になります。そのための選択肢としておすすめなのが、歴史と魅力を併せ持つ場所で美味しいコーヒーを飲むことです。パンプローナの「カフェ・イルーニャ」、ア・コルーニャの「カフェ・デ・マコンド」、ビルバオの「カフェ・ラブ」（自家製コーヒーを提供）、マドリードの「カフェ・デ・ラ・ルス」や「カフェ・ヒホン」（伝説のカフェとされる）などがおすすめです。しかし、別の方法で地元の美食を楽しみたいのであれば、スペインの多くの都市にある 象徴的な市場 を訪れるのが最良の選択肢の1つです。マドリードの サン アントン市場 または サン ミゲル 市場、および ラ ボケリア バルセロナでは美味しいタパスを提供しており、観光ツアーの後に体力を回復するのに最適です。バレンシアの メルカド セントラル では、モダニズム建築と伝統的な料理が融合しています。セビージャのロンハ・デル・バランコ市場は、グアダルキビール川沿いでくつろぐには絶好の場所です。ビルバオのリベラ市場は、旧市街を探索しながらピンチョスを味わう機会を提供してくれます。そして、夕暮れが来ると、テラスから夕日とその光が歴史的建造物、記念碑、自然の一角を照らす様子を眺めるのは最高です。たとえば、マドリード芸術協会のテラスからはグラン・ビアの景色を眺められる一方、セビージャでは、コロン・ホテルの屋上やEMEホテルのテラスから、カクテル片手にヒラルダの塔を観賞できます。また、アリカンテのグラン・ソル・ホテルのテラスは、地中海とサンタ・バルバラ城の眺望をその特長としています。

  • 前回のZinebiにおいてミケルディ名誉賞を受賞したセシリア・ロース

    従来の（そしてそれ以外の）映画

    スペインには、ヨーロッパ全土で最も有名な映画祭がいくつかあります。そうした映画祭には、世界中から何千人もの映画ファンが集まります。 ビルバオ国際ドキュメンタリー映画・短編映画祭（Zinebi）とセビージャ映画祭は、オルタナティブ映画や新進気鋭のクリエイターが生み出す映画を好む人なら誰もが訪れるべきイベントです。秋には、独立系映画が主役の ヒホン国際映画祭も注目に値します。マドリードの映画界で成長を続けるイベントにマドリード国際LGBTIAQ+映画祭があります。この映画祭は、LGBTIAQ+の人々を擁護し、またその権利を主張するといった性格を顕著に帯びたものとなっています。

  • ビーゴのクリスマスイルミネーション

    光（と音）のショー

    スペイン各都市の歴史的建造物、象徴的な場所、そして景勝地がキャンバスとなり、そこに、光を主役とした真の芸術作品が映し出されます。その最たる例が「クエンカの光」です。五感を刺激するこのショーでは、サン・ミゲル教会にアニメーション画像が投影されます。ビトリア＝ガステイスでは、アート、テクノロジーおよび建築が融合した「ウンブラ・ライト・フェスティバル」が2月に行われます。このフェスティバルでは、国内外のアーティストが参加型の照明エクスペリエンスを生み出して夜の街を彩ります。そして、イルミネーションについて言えば、大都市は毎年、市民や訪問者に最高のクリスマスイルミネーションを提供するために競い合っています 。ビーゴ は、11月末から1月まで続く見事なイルミネーションで有名です。

  • セゴビアの水道橋

    史跡遺産を巡るガイドツアー

    秋と冬は、スペイン各都市の豊かな文化を、イベントやガイドツアーやガストロノミーフェアと組み合わせるのに最適な時期です。その好例といえるのが、カスティージャ・イ・レオン州で開催の真菌グルメフェア「ブスカセタス」です。キノコの世界とキノコを使った伝統料理が、このフェアの主役です。このイベントを機に、レオン​​の大聖堂から、セゴビアの水道橋やサラマンカのマヨール広場まで、州全域に散らばる象徴的なモニュメントを訪れてみることをおすすめします。12月中旬にはサラゴサでコミック祭が開かれます。コミック祭の期間中は、「第9の芸術」とも呼ばれる漫画の文化エクスペリエンスを楽しめるだけでなく、ピラール・バシリカ教会堂やアルハフェリア宮殿のガイドツアーに参加して、この街の千年にわたる歴史を深く探ることもできます。もうひとつ、あなたの興味を引くかもしれない「おすすめ」を追記しておきます。かの有名なバダホスのカーニバルの期間中にエクストレマドゥーラ州バダホス県の県都を訪れると、バダホスの城塞、立派なパルマス門、ラ・ヒラルディージャなど、いくつかのモニュメントを見学できます。なお、このカーニバルは「国際観光名物祭り」に指定されており、毎年2月に市内の通りを色彩と喜びで満たします。

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